仙台鉄道 陸前大沢駅 跡
山の寺駅 から国道4号線沿いを北上、 GS ENEOS Dr.Drive セルフ 泉インター店辺りが 陸前大沢駅 跡だ。駅前のタバコ屋 は 那須野商店（ 仙台市泉区大沢2丁目2-1 ）、現在の ローソン仙台泉インター店 である。 途中、現 ガーデンオート泉インター店 裏手の 要害川岸に 橋脚の遺構 があるらしいので、機会に恵まれる交通状況の折には確かめてみたい。
陸前大沢駅 から線路は左にカーブして、市立 泉ヶ丘小学校 前を経由し、工業団地造成で往時の見る影も無くなりつつありながら、まだ若干残る 旧道 に沿い、黒川小野駅 へと至る。（ 写真は、泉ヶ丘・富ヶ丘団地 裏、造成された工業団地を抜けて 大和町 小野 地区 に入ったばかりの所にある 竹林川 に架かる 仙台鉄道の 橋の跡。港北出版印刷の北西 ）
仙台鉄道 黒川小野駅 跡
なぜ、路線は 奥州街道 沿いを通らず、山奥の宮床へ分入ったのだろう。
黒川小野駅 の旧道周辺を見回すと、山合いの盆地に長閑な田園が広がり、立派な蔵のある 大きな農家 が とても多く残っていることに気づく。*1
宮床伊達家のお膝元
今でこそ黒川郡大和町小野と言う地名だが、1955年（昭和30）に 大和町として合併するまでは、伊達家の分家 が 治めた 由緒正しい 宮床村 の、集落のひとつだった。 年貢のたっぷり納まる豊かな地域だからこそ と知ると納得がいく。 一方、奥州街道における 仙台市泉区と黒川郡富谷町の境（ 現富谷市大清水 ）は 峠 = 長く急な坂 となっていて*2、昭和に入っても尚、山賊 が出るとの噂があったほどの、かなりの 難所 でもあったらしい。
線路はここでも 旧道 に沿って敷かれていた。開発が進み、小野地区の 駅前にタバコ屋 の気配はもうない。角にある 現美容院 がその名残かな？
仙台鉄道の駅跡は、営業路線を引き継いだ 宮城交通の営業所 に使われたり、 農協の倉庫 が 置かれていることも多い。農産物の物流はもちろん、木材や石炭・亜炭などの燃料輸送にも一役買っていたからだ。
ちなみに、仙台駅から大和町 小野や宮床を経由 して、大和町吉岡までを結ぶバス路線 が、暫く前まで 宮城交通バス に引き継がれ、運行されていた。
駅舎向かいの、 大和町宮床小学校・小野分校 跡。少し前までは遊具もあった気が。 現在の大和町立 小野小学校 は近くの新しい団地（ 杜のまち・もみじケ丘・日吉台 ）の中に、再配置されている。 往時とは逆の、比較的マンモス校だ。
さて、黒川小野駅 を出た線路は現役の道路に沿って北上し、荒井公民館（ 大和町小野荒井121-1 ） 手前から右手の農道に入って竹林川を越え、富谷駅 へと進んだ。橋脚跡 を探してみたが、農地改良等が進んでおり見つけられ無かった。
歌人・原阿佐緒の故郷
話は変わるが、アララギ派の歌人・原阿佐緒 は、黒川小野駅 跡 から西にひと山越えた、宮床村 の 中央部の集落に、伊達家御用達の 豪商の娘 として生まれた。*3あの有名な、石原純との逃避行 にも、この仙台鉄道は利用されたらしい。当時の交通網から、下車はおそらく次の 富谷駅 と言う気はするけれども。
本記事の移転更新 #廃線 #仙台鉄道 #軽便
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*1:車窓からは広範囲に見えるが、写真には納まりづらい、Googleストリートビューも無理、範囲が広範囲だから、感じたい方はぜひこの通りを仙台側から大和町側へ通ってチラチラ左側をみて。もしくは、小野駅側から旧道を南下するのもいいかもしれない、行き止まりだけど。汗💦
*2:仙台鉄道は、人の運搬だけでなく、重量級の物流も担っていたため、急坂に対して馬力や燃料が足りなくなってしまうってことなんだよね。仙台輪中から泉へ下る際も、東照宮から小松島経由で降りてくるのも、できるだけゆったりとした坂道を狙ってルートを設定したためだろう。
*3:いまは小野から宮床に伝わる峠道があるが、これはつい最近水道タンクの派生からできたもので、昔はなかったと思われる。
